ドイツ雑感2

雑記

どうも拓郎です。

前回は不覚にも中途半端な記事になってしまったので今回は気合い入れていきますよ。

とりあえず前回までのあらすじとしては

  1. 空港に行く途中でNintendo Switchを買う。ソフトはゼルダとスプラトゥーンだ。キリッ
  2. 空港に行くまでにさっそく始める。
  3. 空港についてチェックインし、待ち時間で道くんと酒盛りをする。
  4. いざ搭乗!Switchタイムだ!ヒャッハー!
  5. しかしSwitch本体の充電がうまくいかず30分でSwitchタイム終了!
  6. モヤモヤしながら長時間フライトを過ごす。
  7. やっとドイツに到着!AM9時!朝!
  8. しかし迎えのスタッフさんが見当たらない!!!

です。

ではその続きから

迎えのスタッフさんはドジっ子さんなんだろうか

デュッセルドルフ空港の到着ロビーに迎えのスタッフが来ると聞いていたのにぜんぜん見当たらない。

20分位探し回ってみたけれど、影も形も見えないのである。

事前に送られてきていた案内のメール文には担当者の電話番号が書いてあるけどそもそも電話がかけられない。

これちょっとどうすっか、、、と道くんとしばらく途方にくれつつ、もうタクシーで現地まで行こうかなと考え始めたときに、ついにスタッフさん降臨。

僕たちよりちょっと若くて人懐こい感じのする女性で、「メールス・フェス」と書かれたプラカードを持ちながら近づいてきて、時間に遅れてしまったことを申し訳なさそうに謝ってくる。

「あーもう、本当にごめんなさい。わたしずっと違う場所であなたたちを待ってたの。いつまでたっても来ないからなんかおかしいなと思って・・・・」

そりゃ会えないはずだ。でもしょうがない。

そもそも僕たちが指定されていたのは「ターミナルB」という場所だけで、これはつまり日本で例えるなら「羽田のターミナルAで9時に!」みたいなすごくざっくりした言い方なのである。

にしても到着ロビー自体はそこまで広大でもないよなぁと少し首を傾げながらも「問題ないよ、イッツオーケー」と笑いながら近くの駐車場に停めてあった車に乗り込んでさっそくホテルに向かってもらったけれど、クリスティンは駐車場を出るときに精算機に駐車券を逆に入れて手間取るというのを2回連続でやっていたので、この人はもしかしたらいわゆるドジっ子的なところがあるんじゃなかろうかと僕はふと疑いを持つ。

なので少し運転も心配になってしまったけど、予想外にうまかった。

グッドドライバー・クリスティン(ドジっ子疑惑)。

とっても感じの良いホテル

空港から20分位でホテルに到着。ヨーロッパ民家ふうというか本場ヨーロッパなとても感じの良いホテルである(クリスティンはにこやかに「またね!」と言って去っていった)。

そのホテルは日中はレストランをやっていて、夜になるとカジノにもなる地元ではわりと名のしれたホテルとのことらしい。

あーすごくいい感じだなぁと思いながらチェックインを済ませ、部屋数的な事情で道くんとの相部屋(ツウィン)と聞いていたので二人で重い荷物を抱えながらいざ部屋へ。

ようやく一息つける、、、、と部屋に入って、あー内装もすごく良いなぁとか思いながら荷物をおろし、さてとりあえずちょっとベッドに横たわるか、、、、とベッドを見てみると

間隔近っ!!!!!!!!!

 

これもうツウィンじゃなくてほぼダブルじゃないか!

カップル同士が寝るやつじゃないの!

 

俺らそういう関係ではないんだけどなぁ。

もしくはドイツではこういうのを普通にツウィンっていうんだろうか。

 

と少しため息をつきつつもまいっかとすぐに諦め、ちょっと横になって休むと元気が出てきたので、ホテルの朝食を食べに食堂へ。

朝食はバイキング形式で、パンとチーズとハムが数種類ずつとオムレツが用意されていて、どれもすごく美味しかった。食べすぎてしまう類のやつである。実際滞在中毎回食べ過ぎた。

ドイツのビールは安くてうまい

そして、何はともあれドイツはビールでしょ!!ということで朝食を食べ終わったわれわれは、近くのガソリンスタンドへビールを買いに。

 

めちゃくちゃ種類が多くて、しかもべらぼうに安い。さすがビールの国だ!

何本か適当に買って帰り、ホテルの中庭みたいなところで朝の10時から、みんなでビールの飲み比べをやる。

快晴に近い良い天気で、涼しくて過ごしやすく、自分たちのテーブルにはとても安くてとてもうまいビールがあって、しかもこれからドイツの人達の前で自分たちの音楽を演奏できるのだ。

自然とニコニコしてしまう。

もちろんビールは全部美味しかった。

いざ会場へ

朝のビール会を大満足で終えた我々は何時間か仮眠をとって会場に向かうことに。

ホテルから会場は歩くと結構時間がかかるので、演奏者用のシャトルバスが出ていた。

他の演者たちと一緒にバスで会場へ。

道路からの風景。メールスはのどかでいい。なんとなく日本と似ている気がする。

15分位で会場につき、早速荷物をおきに関係者エリアへ。そして案内されたのがここ↓。

アイススケート場の選手控室である。

フェスの会場横にはアイススケート場があって、今回はそこがスタッフエリアとして使われていたので、僕たちの楽屋にこの控室があてがわれたようである。とても広くてテンションが上がる。「広いは正義」だ。

監督、試合はまだですか!! な気分になる。

会場内をぶらぶら

サウンドチェックまでにまだ割と時間があったので、出店を物色することに。

アイスを買って食べながら

ドイツの古着を漁る。ドイツに来てもやることは一緒である。

そしてもちろんソーセージとポテトも。

これは関係者用ケータリングのヴィーガン料理でとても美味しかった。料理の本を出してるらしいなんだか有名そうなおばちゃんが丁寧によそってくれた。

そんなこんなでフェスを満喫したあとはライブである。

ライブの模様

ライブの様子はこちらからどうぞ。

寝不足やらなんやらで間違えまくってますけど楽しかったです。

Moers Festival 2019 (Freitag) – ARTE Concert

フェスの楽器チームには本当におせわになりました。事前の機材リクエストのときに「これは生産中止になったし流石にないだろうなぁ。でもちょっとダメ元でリクエストしてみよう」と思って聞いてみたものを全部揃えてくれた。

転換もすごく親切に手助けしてくれたし、ドイツ人すごい、と尊敬の念すら覚えたですよ。マヂアリガト。。

ヤセイのライブ後はセッションへ

ヤセイのライブ以外にもメンバーそれぞれで現地のミュージシャンとセッションしてほしいと言われていたので、一日目のヤセイ2ステージを終えるとすぐにセッション会場へ向かう。

主催側がミュージシャンの組み合わせをあらかじめ決めていて、とりあえずあなたはこの時間にどこそこに行くように、と各自言われたのである。ヤセイメンバーの中では僕が最初にセッションをやる番。(まさなおくん、みちくんは二日目の朝だった)。

会場は音楽学校の小ホール。こんな感じ。

わりとオフィシャルな雰囲気というか、けっこうフォーマルでちゃんとしてる雰囲気である。

コード一発とかでわいわいジャムるんだろうと甘く考えていた僕はジャズ・スタンダードをやるんじゃなかろうかという不安を覚えたので(弾けないから)、到着したときに少し挨拶したウッドベースのマルセロさんに「いったいどういうセッションをすればいいの?」と聞いてみる。

すると「いや、俺も全然わからないんだよね。なんかほんと完全に(コンプリートリィを強調して)ノープランのフリーらしいよ」とのことで、マジかと二人で笑い合ってメールスフェス半端ないなとあらためて思う。

あと共演するのはデイヴィスという男性のピアニストとジュディスという女性のドラマーで、ラテン系のデイヴィスはすでに完全に出来上がって周りに陽気さを撒き散らしていて、真面目そうなドイツ系のジュディスは知り合いと何か難しいことについて真剣に話しあっている様子である。

そして僕はといえば英語も対して分からない日本人のリングモジュレーター系ギタリストで、セッションの概要を完全に理解していないまま特にやることもなくぼんやりあたりを眺めている。

時刻は夜中の1時。これからこのメンバーでどんなセッションが行われるのかは神のみぞ知るである。

 

セッション開始!

開始時間になったのでみんな位置に付き、演奏スタート。

いきなりピアノのディヴィスがスケール的なフレーズを弾き始めるが無拍子である。

イントロ的なやつかなと思い、僕もフワッとそのフレーズにボリューム奏法とかディレイで音を載せたりして様子を見る。

ドラムのジュディスはスティックを立てに持ってシンバルをこすり、ウッドベースのマルセロはベースを抱えてなんかハーモニクスみたいな音を出して、二人も完全に曲のイントロモードだ。ディヴィスが弾きまくっている上でみんなふわふわしている。

 

でもそれがいつまでも終わらない。ディヴィスは拍子のないフレーズを延々と弾き続け、ジュディスは魔法のランプよろしくシンバルやスネアをこすりつづけ、マルセロに至ってはさらにベースを抱え込み、もうベースを相手に独り言をつぶやいているようにしか見えない。

 

さすがにそろそろ展開が欲しいと思った僕はテンポを出したフレーズを弾いてみるものの、のれんに腕押しというかまったく全然反応が返ってこない。ゴジラ相手に小さな銃で立ち向かっている気分だ。

しかししばらく続けていると隣りにいたジュディスが僕のテンポをキャッチアップしてビートを作り始めてくれる。が、向こう側のディヴィスとマルセロは完全に断交状態である。

特にディヴィス、少し弾くのをやめてこちらを聞きなさい。

小綺麗なホールで繰り広げられるこの不思議なフリージャズセッションはまことにシュールで、僕はだんだん笑いが止まらなくなってくる。

寝不足やらなんやらでナチュラルハイになってもいたのでちょっとしたことで吹き出しそうになり、まるで笑ってはいけないフリージャズセッションの様相を呈してきた。

しかしさすがにだんだん業が煮えはじめたので、控えめにかけていたリングモジュレーターをMIX100%にし、ノイズをポンポン撒き散らしてみるが、みんな無反応である。馬鹿な。これも効かないとは、、、。

ならば、、、と僕は6弦の開放をジャランと思い切り弾く。リングモジュレーターをかけたままそうするとギャイーンビリビリ!みたいな、ものすごい音がするのである。いままでこれで壊せなかったものはない。僕にとっての斬鉄剣である。

でももちろんこれもダメージを与えられない。デイヴィスなんかこちらを見向きもせず、ピアノの中を覗き込んでピアノ線を一生懸命いじっている。

会心の一撃でも歯が立たなかった僕はもうこの時点で心が折れてしまい、もうディレイだけかけて翼が折れた鳥のようにフワフワと漂うしかなかった。

そして一度も4人のタイミングががっつりあうことなく30分くらいのセッションが終了。

うわー、このまま終わったよ、ちょっとこれはお客さんドン引きだよなぁ、やっちゃったんじゃないかなぁ

と思いきや

 

 

観客「ウォーーー!!」

拍手喝采、鳴り止まぬ口笛。

 

 

これはどういうことなのか、、、。

予想外すぎる反応で混乱したけど、いままで押し黙っていたお客さんたちはずっと熱心に僕たちの演奏を聞いていたのだということがゆっくり分かってきた。

ずーっと聞き耳をたてて、僕たちの音の機微をちゃんと感じ取っていたのだ。

ここのお客さんたちは音楽に対してとても真面目で、すごく音楽が好きで、純粋にいろんな音の響きを楽しんでいたのである。

僕はもう感嘆してしまって、一気にドイツという国が大好きになった。そういう国なんだここは。

僕たちのあとも2組くらいディープなフリーセッションが続いたけど、やはりみんな真剣に聞いて楽しんでいた。

ちなみに僕は寝ていて行けなかったけど、翌朝に行われたまさなおくんや道くんが出たセッションは朝なのに客席は満員な上、さらに尖ったフリーセッションが繰り広げられたらしい。コーヒーミルで豆をひいた音をその場でサンプリングするミュージシャンもいたようである。

ドイツはとても深い国みたいだ。

不思議に思ったこと

2日目はロードインが夕方からだったので、それまで近くをすこし観光したりして過ごした。

ビールもソーセージも美味しくて大満足。

ドイツのビールはずっと飲んでいられる

やっぱり外国の町を歩くのは楽しい。

で少し不思議に思ったのが、ドイツのトイレの水洗ボタンがどこもとても大きいことである。

日本だと親指で押せるくらいのものが標準だけど、ドイツは拳でちょうどいい。

こんなん↓。

でかくないすか?

理由はよく分からないけど、でもたしかにこれくらい大きいほうが分かりやすくていいかもしれない。

2日目の会場

2日目は前日とは違う会場で、なんでもお城の野外ステージらしい。

写真はお城の庭。

お城の野外ステージって凄いなと思って楽しみにしていたら、悪天候によるステージ変更で、お城の中の小さな地下室みたいなとこでやることになってしまった。

こういうとこ↓。

この日は雨が降ったりやんだりを繰り返していて、ギリギリまでステージが定まらなかった。舞台チームは2回も野外ステージの撤去と設置を繰り返したらしく、「もうほんと大変だよ今日は」とボヤいていた。

しかしちゃんと僕たちの機材も再び用意してくれていてさすがだった。ドイツのチームはとてもしっかりしている。

演奏の方は、周りの壁がコンクリートだったので、わりと音が回ったけど前日よりしっかり演奏ができたし、楽しかった。

終わったあと、地元のTV局的なクルーからインタビューをされた。

そして翌日はもう出発日で午前中の便だったので、早めにホテルに帰った。

やっぱりクリスティンはドジっ子だった

翌朝、ホテルの朝食を腹に詰め込んでから建物の前で送迎の車を待っていたのだが、車はわりと遅れてやってきた。

運転席を見ると、乗っているのは初日に僕たちを空港でピックアップしてくれたクリスティンである。

「遅れてゴメンね、違う人たちを送ったりしてて!また私があなたたちを送ってあげるからね、よろしくね!」

クリスティンも忙しいんだなと思いながら、みんなでなごやかに挨拶していざ空港へ。

高速道路からの景色がやっぱりなんか日本に似てるなぁと思っているとすぐに空港が見えてくる。

いよいよ空港の建物に近づいて、送迎用のロータリーへ続く道と再び高速に復帰する道への分岐に差し掛かる。

右がロータリーで、左がまた高速へ行く道。

そして我らがクリスティンは当たり前のようにすすっと左に行く。

あ、と僕が思っているとクリスティンもすぐに気づく。

「あ、やだ、これ違う。こっちじゃない。これ空港スルーしちゃう」とがっかりした声をあげるがもうUターンはできないので、回り道をして戻ってくるしかない。

目と鼻の先のロータリーを虚しく通過するわれわれ。どんまいクリスティン!まだ時間あるしと僕たちは言う。

「ごめんね、でもうん、大丈夫!またぐるって回ってすぐ戻ってこれるから!」

と意気込むクリスティン。

そしてまた3方向くらいに分かれる分岐にさしかかる。看板にドイツ語で案内が書かれているが、読めないので僕たちには判断しようがない。すべてクリスティンにかかっている。

クリスティンは看板をじっと睨みながら「こっちだわ!」と言って右へ曲がる。

でもなんだか様子がおかしい。どう見ても空港の方に向かっている気がしない。

まさかクリスティン、、、、。

「ごむぇ〜ん。。こっちじゃなかったわ、、、、クスン」

オーマイガッと言ってしおれるクリスティン。

いいんだよ、クリスティン。そんな予感はしていたんだ。

むしろほっこりさせてくれてありがとう。やっぱりドジっ子だったんだ。

きっと初日に僕たちを迎えに来たときもこんな感じで場所を間違えていたんだろう。

ドイツを出発する飛行機と俺とSwitch

そして少し時間はかかったけれども、3度目の正直で無事ロータリーに到着。笑顔でクリスティンと別れてから問題なく搭乗手続きを済ませ、搭乗時間ギリギリまで空港内のレストランでホワイトアスパラの茹でたやつを食べる。うまい。

ゆっくりビールと食事を味わっていると、なんかいま自分の名前が呼ばれた気がするとまさなおくんが言ったので、いそいそとゲートに行ってみると乗り込んでないのは僕たちだけだった。危ない危ない。置いていかれるところだった。

早足で飛行機に乗り込み、席に腰をおろし、僕はSwitchを取り出す。

ホテルでもまったく充電がたまらなかったけど、もしかしたらここならいけるかもしれないじゃないか。

判断を保留することは無限に引き伸ばされた希望を抱くことに他ならないのである。

とはいっても、もしかしたら一緒に買った非純正のアダプターが不良品なんじゃないかと思い始める。

道くんに聞いてみたらちょうど2Aのやつをもってるとのことなので、試してみる。

10分後に見てみるとなんと10%も溜まっているじゃないか!!!

アダプターのせいだったとは、、、くっ、、、、。ずっと使ってるコンセントの電圧が問題なのかと思っていたぜ、、、。

まあなにはともあれ、僕はとても嬉しかった。

帰りの飛行機ではほぼゼルダやってました。ゲームやって疲れたら寝て、起きたらゲームやってとか、最の高でしかない。

忙しくて海外への移動時間くらいしかそんなことできないので、今後も積極的に海外へライブをしにいきたいと思っている所存です。

きっとそのたびにソフトが増えることでしょう(しかし真・女神転生Vは即購入します)。

他にも書ききれないことはたくさんありますが、まあ僕のドイツはそんな感じでした。

ではまた!